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平成22年旧試験民法第2問

旧司法試験平成22年民法第二問

一小問1(1)
 1 Dは、Bから本件パイプについて譲渡担保権の設定を受け、引き渡しも受けている。譲渡担保権の法的性質をいかに解するかが問題となるも、当事者が、担保として譲渡をする意思であったことや経済的実体を重視して、担保権の設定であると解するべきである。
 2 BD間の約定では、Bの請け負った工事について本件パイプの使用が認められていたのだから、Bの工事の完了と、Cの代金の支払いによって本件パイプ所有権はCに移ることとなる。
 3 よって、DがCに対して、本件パイプの所有権に基づいて引き渡し請求をすることはできない。
 4 もっとも、Dは本件パイプに譲渡担保権を設定しているのだから、担保権の本質たる物上代位をすることができるというべきである。そこで、DはBがCに対して有する請負代金債権に物上代位することはできないか。かかる債権は、請負工事の対価であり、本件パルプの価値変形物とはいいがたいので、そのような場合にも代位できるかが問題となる。
 思うに、請負代金債権は請負工事の対価であるから、原則できない。しかし、請負代金全体に占める目的物の価格の割合や請負契約の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部または一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して物上代位できるというべきである。
 本件では、本件パイプの価格が500万円と評価されているので、特段の事情がある。
 よって、DはBのCに対する600万円の請負代金債権のうち、500万円について物上代位できる。
二 小問1(2)
 1DがEに優越するといえるためには、Eが請負代金債権をCから譲り受け、第三者対抗要件を備えた後に、物上代位に基づく差し押さえができなければならない。
 差し押さえは「払渡し又は引き渡し前」に行われなければならないとされているから、債権譲渡がそれに当たるかが問題となる。
 2 思うに、譲渡担保には公示されていないから、それにもかかわらず、債権譲渡後に物上代位できるとすると債権譲り受け人の取引の安全を著しく害する。
 したがって債権譲渡は「払渡し又は引き渡し」にあたることになる。
 よって、Dはもはや物上代位なしえず、請負代金債権に関してはEが優先する。
三 小問2
 1BF間の法律関係
 (1) Aの態度からしてBには盗難の事実を疑うべき事情があったのだから、Bとしては、Aにそのことにつき確認する義務があったといえる。それにもかかわらず、Aは確認義務を怠っているから、本件鉄材の取得につき過失があるといえるから、即時取得(192)は成立せず、Bは所有権を取得しえない。
 (2) したがって、FはBに対して所有権に基づく返還請求をすることができるが、Bはすでに、本件鉄材を処分しているから、不法行為に基づく損害賠償請求をしていくことになろう。その金額は鉄材の時価である、400万円である。
 2CF間の法律関係
 (1) FはCに対して所有権に基づき、本件鉄材を基にしてできた本件パイプの返還を請求することが考えられる。
 (2) かかる請求にCは対抗できるか。
 確かに、CはBに請負工事を頼んでいるのであって本件パイプの「取引行為」によって「占有を始めた者」ということはできないから、即時取得は適用されない。
 しかし、192の趣旨は、保護に相当する取引者を保護することで、取引の安全をはかろうとしたものであるから、請負契約の場合であっても、そこで使われる動産が何であるかはっきりしている場合には、その趣旨が妥当するというべきであり、この場合には192を類推適用すべきである。
 本件では、本件パイプの価格は500万円とはっきりしており、Cは、Bが専門の建築業者であったことから、盗難の事実をしらず、また知ることができなかったというのだから、192条が類推適用され、本件パイプの所有権を取得できる。
 よって、Fの請求にCは対抗することができる。 
  
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元ロースクール生(2010年卒業)

Author:元ロースクール生(2010年卒業)
H23年司法試験を受験しました。
9月の結果が気になってやきもきする日々を過ごしています。

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